劇場アニメ「マルドゥック・スクランブル」は美しい。
どうも。キむryoです。久しぶりに劇場アニメのマルドゥック・スクランブルを観ました。三部作です。圧縮・燃焼・排気の順で公開されました。調べてみたら2010年に圧縮が公開されていました。もう10年近く経つんですね。当時、映画館で観ました。
マルドゥック・スクランブルは、少女ルーン・バロットの死と再生の物語だと僕は捉えてます。冒頭でシェルに爆殺されて、ドクターイースターに超科学技術で治療されて蘇ります。そして彼女の事件を解決するためにウフコックと共闘します。そうして一度死んだバロットは、自分の人生を取り戻していきます。
原作は冲方丁さんの同名の小説です。マルドゥックシティという都市を舞台にした、ハードなSF小説です。かつて軍事技術の研究によって誕生した、擬似重力制御技術や、言葉を話すイルカ、頭だけで生き長らえる博士、そしてどんな物体にもターンできるユニバーサルアイテムのウフコック。しかし彼らは、軍の研究が終わったあとは、その技術が禁じられてしまったので、自らの有用性を証明しなければ生きていられない。そこで、生命保全プログラムによって、禁じられたオーバーテクノロジーを適用するのが、マルドゥック・スクランブル-09(オーナイン)です。バロットは生死の境を彷徨う中、生きたいか問われ、潜在意識が生きる事を選び、このプログラムが適用されます。そしてイースターとウフコックとともに自分の事件に立ち向かいます。また、彼らが追っていたシェルの事件の解決にも協力します。そして、かつてウフコックのパートナーだった、ディムズデイル・ボイルドがバロットたちの前に立ちふさがります。彼も禁じられた科学技術で改造され、擬似重力を操ります。代わりに眠る事を忘れ、感情をなくしています。ボイルドとの激しい戦闘シーン、未来都市の描写、様々な衣装を纏うバロット、緻密な絵、そして金色の体毛を持つウフコックと、非常に美しい映像が流れます。
全編通して、映像のクオリティが非常に高い、美しい作品です。冲方さんの作品としては、他にはシュヴァリエというアニメがあり、OPが美麗ですが、それに勝るとも劣らない映像です。特にウフコックの体毛は素晴らしいです。それと、バロットはとても魅力的です。街に買い物に行くとき、戦闘のとき、法廷に立つとき、そして物語後半のカジノでギャンブルをするときと色々な服を纏うのですが、どれも魅力的です。髪型もショートだったりロングだったりと、ドレス着たり。いいです。
ウフコックとバロットがとても魅力的ですが、他にも僕がキャラクターの中で魅力的だと感じるのは、カジノで登場するベル・ウィングとアシュレイ・ハーヴェストです。ベルはルーレットのスピナー、アシュレイはディーラーで、ブラックジャックでバロットの前に立ちふさがります。この2人は人生経験のある、大人で、深みがあって好きです。2人とも、続編のマルドゥック・アノニマスに登場しています。次巻で出てくるのを楽しみに読んでます。
カジノシーンは後半の最大の魅せばです。ブラックジャックで、アシュレイとバロットが対決する。バロットは100万ドルチップを獲得し、そこに隠されたシェルの記憶をウフコックに読み取らせます。そのためには賭けに勝たないといけない。アシュレイが出てくるまでは買っていたバロットとイースターでしたが、彼があまりに強く、イースターはバロットに任せます。ここで場に出たカードを全て把握して次に来るカードを予測したり、ディーラーと読み合いがあったりとテクニックと心理戦が起きます。う~ん。上手く書けませんが、トニカク引き込まれます。カジノの描写も美しいです。
カジノで無事に目的の情報を得たバロットたちは、今度はボイルドと決着をつけないといけなくなります。かつてウフコックの使い手で袂を分かつ事になった彼との戦闘。ウフコックの心境やいかに。
全編通してハードだけど映像は凄く美しいです。特にカジノのシーンはいい。バンダイチャンネルで観られますよ。